乳化とは?

乳化とは、油と水のように本来混ざりにくいものを混ぜ合わせた状態のことを言います。
よく攪拌することによって、油の粒子が水の粒子を包み込むような状態(あるいはその逆)になり、油と水は一旦混ざり合いますが、多くの場合時間が経つと再び分離してきます。

このため、混ざり合った状態を長く保たせるために、多くの場合、乳化材と呼ばれる油とも水とも親和性の良い物質を少量入れます。
いずれの場合も、よく攪拌することと、できるだけ水と油を細かくすることが、よい乳化状態を作ることにつながります。

乳化は、食品や薬品、化粧品などではよく使われます。例としては、牛乳、ドレッシング、マヨネーズなどがあります。

乳化とは?

分散とは?

一方、分散とは、基盤となる物質(溶媒と言います)の中に、微細な物質(溶質と言います)をできるだけ均一に混ぜ合わせた状態のことを言います。

こちらは、乳化のように必ずしも2つの物質が結合されているとは限らず、溶媒の中に溶質が分離して存在していますが、溶質の大きさが大きければ沈殿して溶質同士が固まってしまうこともあります。

これを避けるためには、上と同様、できるだけ溶質を細かくし、かつ均一に溶媒中に分散させることが必要です。

分散とは?

思考館の乱流式乳化分散装置

株式会社思考館の乳化分散装置は、乱流現象を利用した、独自方式の乳化分散装置です。
乳化分散効果が高いのはもちろん、従来方式に比べて低圧での試料供給であるため、使用電力が非常に小さい、という特徴があります。
また、微粒化装置(サブミクロン)ほどではありませんが、試料を微粉砕(数ミクロン~数十ミクロン)する力もありますので、微粒化したいが、ナノサイズまでは必要ない、といった微粒化のニーズにお使いいただけます。

原理

流体を高速で細管の中を通過させると、乱流が発生します。
この乱流は、流速・管の内径・及び管の長さを適当に選択すると、管全体が高周波微小振動を起こすほどの激しいものとなります。
当社では、この現象を試料の乳化・分散に利用しており、当社独自の方式です(特許申請中)。

装置

  • 従来方式(高圧式、粉砕式など)と異なる新方式による乳化分散装置です。
  • 試料を痛めずに、圧倒的な省電力および短時間で大量処理を可能にしました。
  • さらに高粘度スラリー状物質も通液できるため、幅広い用途で活躍します。
  • 処理する試料の目的や処理量によって、最適なレイノルズ数が変わりますので、それに合わせてSV管を選択し、高圧ポンプの回転数を調整します。
乱流式乳化分散装置

装置の各部分

プレミキサー

SV管

貯液タンク

貯液タンク

装置諸元

1.基本仕様

項目 仕様
使用電源 AC200V±10%(50/60Hz)
制御 操作釦による連続/手動運転
重量 60kg
外形寸法 長さ700×幅500×高さ900/mm
運転方式 Re数と処理時間の条件設定のみ
ポンプ プランジャポンプ
最大処理圧 6MPa
最大処理量 540L/時 ※水の通液の場合
最大レイノルズ数 87,000
貯液タンク容量 19L ※ただし1バッチ処理量 MAX10L

2.試験試料

項目 仕様
最大粘度 100cp
投入温度 60℃以下
最大処理粒径 500μm以下 ※付属品ミキサーで粉砕後
個体含有量 30wt%

3.操作/制御関連

項目 仕様
操作方法 付属品または市販品ミキサーにて懸濁液中の固形物をプレ粉砕後、本装置にて分散処理